夢は架空の群像に咲く

by BOOL & canooooopy

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about

BOOL と canooooopyによる短編ポエムコア集
「夢は架空の群像に咲く」リリース。
CM動画 youtu.be/M3BZzGbSfis ------------------------------------------
「夢は架空の群像に咲く」解説

喜屋能日威(きゃのうぴぃ)氏は蛸わさびを口に運びながら私に言った。
「舞卯瑠(ぶーる)さん、改めてお疲れ様です」
私は湯豆腐をつまみながら深く頷いた。
この日、蒲田シティーのガード下の飲み屋で、囁かな二人だけの祝勝会が行われた。
昨年、我々の共著である「夢は架空の群像に咲く」が第113回 蒼凱学賞に続き、
英国の権威ある文学賞第82回 ウゴンチェ・ペペル賞を受賞したのである。

ことの発端は2013年夏までに遡る、私が喜屋能日威氏と初めて出会ったのは、我々が所属する団体、
婆陣罵火論零甲図(ばーじんばびろんれこうず)の主催する稚魚放流会だった。
この会が弁当持参のものだとは、私の頭に全くなかった為、
参加者が談笑し弁当を突いている中、私は独り、河原に石を投げ込み時間を潰すしかなかった。
しばらくして1人の男が僕の隣に座った。男は6尺6寸(2m)はあろうかという髭もじゃの巨漢だった。

「腹減りますよね 僕も弁当忘れたんです」男は人懐っこい笑顔で私に語りかけてきた。
「あの、あなたは?」
「あっ すみません申し遅れました。僕の名は喜屋能日威です」
この男が・・・ 喜屋能日威という名前は知っていた。
最近パソコン通信で頻繁に話にあがる新進気鋭の物書きだった。
「私は舞卯瑠です」
「あなたが歩絵夢娘亜(ぽえむこあ)の舞卯瑠さん!
パソコン通信の写真では全身黒い甲冑で被ってるし素顔は分からなかったもので驚きました・・・
半魚人だったんですね」

それから私達は共通の趣味である古井戸巡りを通して仲良くなり、何か二人で書いてみようということになった。
そこでとられた執筆方法というものが非常に斬新だった。
1人が昼間から酒を煽り、酩酊後、ぐうぐうと寝てしまう。
そこで発する寝言を、もう1人が聞取り丹念に書き写す。
その流れを交代で幾度となく行い、出てきた言葉の断片を熟考し、一つの物語に仕上げる。
そのようにして生み出した、悪夢のような物語が二十編。
それらをまとめあげた奇書「夢は架空の群像に咲く」が2月13日に婆陣罵火論文庫より発売するのです。

偃月刀を傍らに、芋焼酎を飲みつづけている喜屋能日威氏
やがてくる闇への予感 廻って見える視界 
帆を下ろせ

credits

released February 13, 2016

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Virgin Babylon Records Tokyo, Japan

We Are The Music Makers, And We Are The Dreamers Of Dreams.
We Present Resistance & The Blessing Through Our Music Works.

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Track Name: 背後のヌックばあさん
目をあけると 鮮やかなダンボールハウスにいた
背後にヌックばあさんが立っている
顔は真っ白く 目の周りだけ黒く塗って
両手にフライドチキンを握り
ゆっくり 腕を交互に上げ下げしている
それは神聖な儀式のようだった
俺が信じるのは 後ろの目で見たものだけだ
Track Name: 枕元にスープを
スープを枕元に置いてから寝ること
万が一何か起きたときにも
素早くスープが飲めるでしょ

子供のころから母にそう繰り返し
聞かされてきました
そしてその重要性が今分かったんです
Track Name: 後輩と僕
仕事で困っている後輩がいた
彼の仕事を手伝うのはたやすいことだった
だけど彼はこの困難を乗り越え無ければ成長出来ない
僕は彼に一つのヒントを残して 会社を退社した

2年後 あの後輩は毎晩タワーマンションでパーティーを開いている
僕は毎晩パンティーを被り夜道を歩く
Track Name: ソリッドな勝利者
都市は上から見るものに限る
俺はタワーマンションの最上階からの景色を手に入れた勝者
だがつけあがったら突き落とされる
この世界は甘くない
だから初心を忘れないために
手にこうして5畳のワンルーム時代にお世話になった
びろびろの靴下をはめている

俺はその行為 theソリッド そう呼んでいる
Track Name: トニーは海です
週末女の子がいっぱいくるパーティー
があるんだ
僕はトニーにそう誘われた
しかし実際にはそういって トニー集められたおじさんばっかりだった

おいっ 話しが違うだろトニー
トニーは無反応だ
トニーの顔は真っ青だった
トニーは何を恐れてるんだ...

トニーは海です
僕は蛸です
Track Name: 十字路の青年
十字路にて
マティーニと首輪
点灯する街灯 
枯れそうなタンポポに水をやる
白ブリーフの青年
Track Name: ジャスミンと修一52歳
ジャスミンはシティーガール
贅沢はよく伸びたラーメンをすすること
新しいタイプの自販機でコーヒーを
買って赤ロボット猫にあげること

赤ロボット猫⁉︎

ジャスミンの思考にノイズが走った
あたしそんなの知らない
気持ち悪いっ
シャワールムに駆け込む
風呂にいた弟の修一52歳が驚き とび跳ねる
Track Name: おじさんが輝くとき
「ふみ〜ん」
とは 薄汚いおじさんが言っては
いけない言葉の一つである

ただし 薄汚いおじさんが3人集まれば
その言葉は黄金の輝きを持って私たちの聴覚を刺激することでしょう
Track Name: 土星人モツヒコ
くっぴぃぃぃーっ
静まりかえった社内
僕は突然立ち上がりそう吠えた
これは古いロジックでは
気狂いとみなされる行為だ
しかし僕は既に新しいロジック
を手に入れたのだ
光よりも速く
ポリバケツに唄を

モツヒコは土星の企業に勤めている
地球の常識はまず通用しない
Track Name: 奇術師ボヨーネの発端
憎悪とニョッキ
船乗りの亡霊 
ハチミツボーイ カフェテラス
せっかちなポニー
ひょうきんなバニー
葡萄を摘む レズビアン
黒いケチャップの染みた スラックス

催眠術にかけられたおじさん
が奇妙なポエムを蒲田シティーの路地裏で
踊るように呟いていた
いつしかそんな彼を時代は奇術師ボヨーネと呼ぶようになった
Track Name: 父からの伝言
伝言がある
ロバが笑った
泳いで帰ってこい
父より
Track Name: 機械の体が引き受ける
金時豆をおしゃぶりしていたとき
ゴリラにど突かれ
廃工場のベルトコンベアに
頭からダイブ
このまま俺は機械の体になるのか
そう思って目を閉じた

1947年
大きな箱
仏頂面 98号線
右手に感じた 乳房の感触
俺は夜明けを 引き受けた
Track Name: ミミオ、空に舞う
デジタルモモンガが罠にはまってしまったの
LAに住む僕のもとに妹のピンクが連絡をして来た
今から蒲田シティに駆けつけるとなると親友のトニーの結婚式には出席出来ない
どちらをとるべきか..

話しは聞いた 
デジタルモモンガは俺に任せろ

ミミオはサンバイザーを深く被り 空に舞った
Track Name: 俺がまき散らしたジョニー
初期衝動が潰れた夜
昼間 俺が農場にまき散らしたジョニーを
小鳥が一生懸命掃除している
退屈な小説 有能なフラスコ わがままな私鉄列車
復習の音楽 ロバっぽい女
Track Name: アミと蟹雄
アミは新しいパープルのブーツを眺めている
恋人の蟹雄に買ってもらったものだ
履くのがもったいないな...

その頃、蟹雄は蒲田シティーのBARで
ベロベロに酔っ払ったふりをしてギャルのお尻を触っていた

蟹雄はアザラシだ
水族館を出て2年目の夏だった
Track Name: 堅実なゴードン
結局 ひとつひとつ小さな問題を解決して行くしか無いんだよ
ゴードンは僕に言った

そういうやり方はクールじゃない
もっと手っ取り早く成果をあげられる
抜け道を考えて行きて来たいね
子供だった僕はそうゴードンに言った


17年後
抜け道をまだ見つけられないでいた僕は
ゴードンと思わぬ形で再開することになった

深夜ジョギングで
ボーリング場の前を通りかかったとき

ブリーフ一枚でけん玉をしている男がいた
それはまさに少し老けたゴードンだった

僕には彼が何をしているのか分からなかったが
今でも少しずつ問題を解決しているのだろう
Track Name: もにゃもんと川縁を
よく晴れた川縁を
もにゃもんと手をつないでお散歩に来ています

2人でどうしたらギャルと話せる
ようになるか相談しています
Track Name: 崩壊した夏休み
麦わら帽子を被った
ギャルっぽいサブカル少女
が私達の前にあらわれた夏休み
これまでの二極化した私達の価値観は崩壊した

それはそれとして 今日も風邪流行ってるし
全裸で帰るか
Track Name: 幼い「にゅ」
優しく彼女に触れようと伸ばす
僕の手はウルフのようだった
彼女というのは2時間前に
雨でずぶ濡れになり 僕のアパートの部屋の
前に立っていた少女のことだ
泥のついた人参を差し出し
一晩だけ止めて欲しいと告げてきた
幼い少女の名前は「にゅ」
という奇妙なものだった
Track Name: ユデヒコの黒い翼
見えるのか お前に
俺の黒い翼が

僕はこくりと頷きました
本当は何も見えません
でもユデヒコさんにそう言っておいてたほうが
なにかと都合がよいのです
僕は計算高い人間でしょうか
でもしかたがないのです
それは全くの初対面だったユデヒコさんと
平穏に二人旅を続けていくために僕が身につけた術なのです

もういちど横のユデヒコさんを見ました
突然 唇をつぼめ えらく酸っぱい表情をしています
これは初めてのケースです