1. |
背後のヌックばあさん
01:08
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目をあけると 鮮やかなダンボールハウスにいた
背後にヌックばあさんが立っている
顔は真っ白く 目の周りだけ黒く塗って
両手にフライドチキンを握り
ゆっくり 腕を交互に上げ下げしている
それは神聖な儀式のようだった
俺が信じるのは 後ろの目で見たものだけだ
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2. |
枕元にスープを
00:36
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スープを枕元に置いてから寝ること
万が一何か起きたときにも
素早くスープが飲めるでしょ
子供のころから母にそう繰り返し
聞かされてきました
そしてその重要性が今分かったんです
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3. |
後輩と僕
00:49
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仕事で困っている後輩がいた
彼の仕事を手伝うのはたやすいことだった
だけど彼はこの困難を乗り越え無ければ成長出来ない
僕は彼に一つのヒントを残して 会社を退社した
2年後 あの後輩は毎晩タワーマンションでパーティーを開いている
僕は毎晩パンティーを被り夜道を歩く
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4. |
ソリッドな勝利者
00:58
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都市は上から見るものに限る
俺はタワーマンションの最上階からの景色を手に入れた勝者
だがつけあがったら突き落とされる
この世界は甘くない
だから初心を忘れないために
手にこうして5畳のワンルーム時代にお世話になった
びろびろの靴下をはめている
俺はその行為 theソリッド そう呼んでいる
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5. |
トニーは海です
00:59
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週末女の子がいっぱいくるパーティー
があるんだ
僕はトニーにそう誘われた
しかし実際にはそういって トニー集められたおじさんばっかりだった
おいっ 話しが違うだろトニー
トニーは無反応だ
トニーの顔は真っ青だった
トニーは何を恐れてるんだ...
トニーは海です
僕は蛸です
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6. |
十字路の青年
00:42
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十字路にて
マティーニと首輪
点灯する街灯
枯れそうなタンポポに水をやる
白ブリーフの青年
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7. |
ジャスミンと修一52歳
00:45
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ジャスミンはシティーガール
贅沢はよく伸びたラーメンをすすること
新しいタイプの自販機でコーヒーを
買って赤ロボット猫にあげること
赤ロボット猫⁉︎
ジャスミンの思考にノイズが走った
あたしそんなの知らない
気持ち悪いっ
シャワールムに駆け込む
風呂にいた弟の修一52歳が驚き とび跳ねる
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8. |
おじさんが輝くとき
00:51
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「ふみ〜ん」
とは 薄汚いおじさんが言っては
いけない言葉の一つである
ただし 薄汚いおじさんが3人集まれば
その言葉は黄金の輝きを持って私たちの聴覚を刺激することでしょう
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9. |
土星人モツヒコ
01:15
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くっぴぃぃぃーっ
静まりかえった社内
僕は突然立ち上がりそう吠えた
これは古いロジックでは
気狂いとみなされる行為だ
しかし僕は既に新しいロジック
を手に入れたのだ
光よりも速く
ポリバケツに唄を
モツヒコは土星の企業に勤めている
地球の常識はまず通用しない
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10. |
奇術師ボヨーネの発端
00:56
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憎悪とニョッキ
船乗りの亡霊
ハチミツボーイ カフェテラス
せっかちなポニー
ひょうきんなバニー
葡萄を摘む レズビアン
黒いケチャップの染みた スラックス
催眠術にかけられたおじさん
が奇妙なポエムを蒲田シティーの路地裏で
踊るように呟いていた
いつしかそんな彼を時代は奇術師ボヨーネと呼ぶようになった
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11. |
父からの伝言
00:28
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伝言がある
ロバが笑った
泳いで帰ってこい
父より
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12. |
機械の体が引き受ける
00:57
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金時豆をおしゃぶりしていたとき
ゴリラにど突かれ
廃工場のベルトコンベアに
頭からダイブ
このまま俺は機械の体になるのか
そう思って目を閉じた
1947年
大きな箱
仏頂面 98号線
右手に感じた 乳房の感触
俺は夜明けを 引き受けた
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13. |
ミミオ、空に舞う
00:29
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デジタルモモンガが罠にはまってしまったの
LAに住む僕のもとに妹のピンクが連絡をして来た
今から蒲田シティに駆けつけるとなると親友のトニーの結婚式には出席出来ない
どちらをとるべきか..
話しは聞いた
デジタルモモンガは俺に任せろ
ミミオはサンバイザーを深く被り 空に舞った
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14. |
俺がまき散らしたジョニー
00:42
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初期衝動が潰れた夜
昼間 俺が農場にまき散らしたジョニーを
小鳥が一生懸命掃除している
退屈な小説 有能なフラスコ わがままな私鉄列車
復習の音楽 ロバっぽい女
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15. |
アミと蟹雄
01:01
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アミは新しいパープルのブーツを眺めている
恋人の蟹雄に買ってもらったものだ
履くのがもったいないな...
その頃、蟹雄は蒲田シティーのBARで
ベロベロに酔っ払ったふりをしてギャルのお尻を触っていた
蟹雄はアザラシだ
水族館を出て2年目の夏だった
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16. |
堅実なゴードン
00:56
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結局 ひとつひとつ小さな問題を解決して行くしか無いんだよ
ゴードンは僕に言った
そういうやり方はクールじゃない
もっと手っ取り早く成果をあげられる
抜け道を考えて行きて来たいね
子供だった僕はそうゴードンに言った
17年後
抜け道をまだ見つけられないでいた僕は
ゴードンと思わぬ形で再開することになった
深夜ジョギングで
ボーリング場の前を通りかかったとき
ブリーフ一枚でけん玉をしている男がいた
それはまさに少し老けたゴードンだった
僕には彼が何をしているのか分からなかったが
今でも少しずつ問題を解決しているのだろう
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17. |
もにゃもんと川縁を
01:20
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よく晴れた川縁を
もにゃもんと手をつないでお散歩に来ています
2人でどうしたらギャルと話せる
ようになるか相談しています
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18. |
崩壊した夏休み
00:53
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麦わら帽子を被った
ギャルっぽいサブカル少女
が私達の前にあらわれた夏休み
これまでの二極化した私達の価値観は崩壊した
それはそれとして 今日も風邪流行ってるし
全裸で帰るか
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19. |
幼い「にゅ」
00:53
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優しく彼女に触れようと伸ばす
僕の手はウルフのようだった
彼女というのは2時間前に
雨でずぶ濡れになり 僕のアパートの部屋の
前に立っていた少女のことだ
泥のついた人参を差し出し
一晩だけ止めて欲しいと告げてきた
幼い少女の名前は「にゅ」
という奇妙なものだった
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20. |
ユデヒコの黒い翼
01:00
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見えるのか お前に
俺の黒い翼が
僕はこくりと頷きました
本当は何も見えません
でもユデヒコさんにそう言っておいてたほうが
なにかと都合がよいのです
僕は計算高い人間でしょうか
でもしかたがないのです
それは全くの初対面だったユデヒコさんと
平穏に二人旅を続けていくために僕が身につけた術なのです
もういちど横のユデヒコさんを見ました
突然 唇をつぼめ えらく酸っぱい表情をしています
これは初めてのケースです
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Virgin Babylon Records Tokyo, Japan
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